こんにちは!
台東区議会議員 本目(ほんめ)さよです。
2023/12/01は議会の本会議がありまして、
本会議場で、区長に質問・提案してきました。
<本目から提案・質問>
「こどもまんなか」政策に関する台東区の取り組みと、その重要性について区長・教育長に伺います。
政府が掲げる「こどもまんなか」とは、私たちの社会が子どもたちの視点に立ち、彼らの最善の利益を考慮し、彼らの福祉と健康の向上を目指すことを意味します。
私たち台東区も、この理念に基づいて積極的な役割を果たす必要があります。
台東区では、第三回定例会において、「区が「こどもまんなか応援サポーター」として活動することで、改めて「こどもまんなか」について考える機会を生み、子供の育ちを地域で支える環境づくりに向けた機運の醸成に資する。また、そうした機運を、来年度の次期次世代育成支援計画の策定に生かしていく」との報告がありました。それでは、来年度の予算案にはどのように反映していくのでしょうか?
現在、ニーズ調査を実施していますが、計画策定までは通常一年以上の期間が必要です。区の予算に反映されるのは再来年度以降になってしまうのでは?と懸念があります。
「応援サポーター」として活動していくと表明したのですから、「こどもまんなか」社会に向けた取組みを、できることから早急に進めていただきたいと思います。
そもそも「こどもまんなか」を台東区で実現するには何が必要でしょうか?
大きく5つの提案をしたいと思います。
1つ目は「こどもまんなか」のために力を入れられるようにするための組織体制です。
現在、子育て若者支援課が計画策定の中心的役割を担っていますが、近年コロナや物価高騰による国や都の子育て支援の突発的な事業が増えていて、本来「台東区の子どもに何が必要なのか?」を考え実行するための人員が、それらの業務に割かれてしまっています。39歳までを若者とする、子育て・若者支援の業務範囲の広がりも、この問題を複雑化させています。
「こどもまんなか」に注力するという台東区の意気込みをあらわすためにも、また、子どもに関する施策を総合的に推進するためにも、「こども家庭庁」を踏まえた新たな組織体制を早急に整備すべきではないでしょうか。
2つ目は、子どもの権利。
「こどもまんなか」の社会を実現していくためには、なによりも子どもの権利を基盤とすることが重要です。
こどもの権利条例は、東京都において、2021年に制定され、今年度、広めていくための施策が数多く行われています。都内各自治体の取り組みとしては、国立市の「子どもの人権オンブズマン」など、第三者機関による子どもの人権をまもる相談・救済の仕組みづくりも進められています。東京都が実施しているこどもの権利に関するイベントなどもありますが、現状では台東区の取り組みが見えてきません。
区で条例制定をするか?もしくは都と連携して取り組みをするのか?区として、子どもの権利を当たり前に尊重していく社会の実現に向けた取り組みを早急に検討するべきです。”
3つ目は子どもの衣食住と安全が守られること。
今年度補正予算で計上された、ボックス型の授乳室が、先日生涯学習センターなどに設置されました。台東区では安心して赤ちゃんがご飯を食べられる、つまり授乳ができる環境整備を行ったことについて、非常に高く評価をしています。早速利用した保護者からも評判がいいです。
こどもまんなかに関する機運を高めることについても、保護者からは、全体的に好意的なものが多くありました。一方で、「こどもまんなか」なのに親の所得によって、たとえば住宅改修などの補助金がでないことが残念だという声も多く寄せられています。
こどもにとって良質な住環境のための補助金が、一定以上の所得があると対象外であっていいものでしょうか?
子どもの安全な住環境のための子育て世帯住宅リフォーム支援制度については、所得が合計800万以上で対象外になってしまいます。台東区の家賃や住宅価格は高騰していて、対象外の所得を得ていても、リフォームに回せる資金的余裕が厳しい家庭も増えてきています。安全な住環境はどんな子どもでも享受する権利があります。住宅の改修支援については例ですが、子どもに関わる所得制限をなくしていくことも、こどもの衣食住と安全につながります。
4つ目は、こども主体の保育・教育の質の向上です。
区長は選挙の公約で、年間を通じて保育園に預けやすい体制の確保ということをうたい、改選後の補正予算で年度当初の認可保育所の空きを補填しました。これも地味ではありますが、非常に重要です。
在園児の数で収入が決まる私立保育園において、定員割れは死活問題となりえます。その期間の補填があることで園を継続運営することが可能となり、「認可保育園」という質の高い保育を維持できる政策となっています。
他にも、例えば、保育園にカメラを設置すること。
室内にカメラを設置することで、不適切保育を防ぐとともに、保育士を保護することが可能となります。子どもたちの安全を守り、保育士の働きやすい環境を整える意味でも、カメラ設置を進めていただきたいと思います。
教育においては、子どもたち自身がルールメイキングに関わり、より良い学習環境を提供することもとても重要です。
上野小学校ではICTを活用して、子どもたち自身が標準服についてのアンケートを取り、スラックスを導入するという決定がなされました。こうした子どもたち自身によるルールメイキングは区内の全小中学校で行われるべきです。
学校の先生の働き方改革よる、教育の質を高めることについても待ったなしです。
東京都の教員の採用倍率が1.1倍ということで、子どもの教育に意欲を持ち、能力がある教員を採用しづらい状況が推測されます。働きやすい環境づくりをつうじて、先生の獲得に努め、教育の質を高めていくべきではないでしょうか?
さらに、ニーズ調査だけでは掴みきれない子どもたちの真のニーズや権利について、もっと深く考え、行動を起こす必要があります。
そもそもニーズ調査で当事者にアンケートをとっていないような項目もあります。たとえば生理になったとしても安心して授業に集中できる環境づくりです。すべての女子生徒が、第二次性徴に伴う体の変化で、授業に集中できないなどのことがないように、トイレに生理用品があるという状況をつくることも「こどもまんなか」の教育以前の問題ではないでしょうか?
5つ目は情報発信です。
広報についても、せっかく啓発や周知を進める上で、「こどもまんなか」が発信されておらず残念な状況です。どこの部署においても、なにがこどもまんなかなのか?を考え、発信し、区民へ伝えていくべきです。たとえばさきほどの授乳室の設置についても、区のスタンスを示すためには発信が重要です。情報発信のたりなさを感じています。
今後策定予定の計画に活かすことはもちろん、「こどもまんなか」について、現在できることや来年度から早速取り組めることについて、早急に取り組んでいくべきだと考えますが、台東区が「こどもまんなか」であるという意気込みも含めて区長のご所見を伺います。
<区長から>
私から、「こどもまんなか」についてのうち、早急な「こどもまんなか」への取り組みについて、お答えいたします。
私も、常にこどもの視点に立ち、こどもの最善の利益を第一に考えるという、「こども基本法」の理念の実現を目指すことは重要であると認識をしています。
区はこれまでも、「次世代育成支援計画」に基づき、子供や若者、子育て家庭に対する様々な支援を行ってきました。そうした取組みを「こどもまんなか応援サポーター」として情報発信することにより、地域全体で子供の成長を支えていく機運の醸成に取り組んでいます。
今後は、あらゆる場面で「こどもまんなか」の取組みを推進していくことについて、改めて職員に意識啓発を図ることで、より充実した情報発信となるよう速やかに取り組んで参ります。
また、区として必要な施策については、国の「こども未来戦略方針」や、現在国が策定中の「こども大綱」を踏まえ、鋭意検討を進めます。
私は、本区の支え合いや助け合いの力を活かし、すべての子供・若者が将来にわたって幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現に向け、引き続き全力で取り組んで参ります。
私からは、以上です。
次のブログで教育長にも聞いたことをお伝えしますね!