こんにちは!
台東区議会議員 本目(ほんめ)さよです。
「小さい子どもがいると説明会には参加できない」「公園の改修計画、いつの間に決まったの?」など、特に子育て中の皆さまから多くの声をいただいています。
そこで今回の区議会では、"いつでも""どこでも"気軽に区政に参加できる仕組みづくりについて質問させていただきましたので、ご報告します。
今回の質問のきっかけ
私が受けた相談の例:
- 「公園の改修工事いつの間に決まったの?...」
- 「スマホで区の計画をチェックできたらいいのに」
- 「LINEとかSNSで意見を送れないかな?」
他の自治体では、スマートフォンやSNSを活用して、子育て世代でも気軽に意見を出せる仕組みを作っているところもあります。台東区でも、デジタル技術を活用して、より参加しやすいまちづくりを進められないか、という思いで質問に立ちました。
質問のポイント
1. 現状の課題
区では平成25年度に協働指針を作成し、28年度には中間支援組織を整備していますが、区民や活動団体との効果的な連携がまだ十分とは言えない状況です。
具体例として、小島公園の改修計画では:
- 改修内容の情報が十分に公開されていない
- アンケート結果の共有が不十分
という課題があります。
2. 他区の先進事例の紹介
- 世田谷トラストまちづくり
- 渋谷未来デザイン (アテンドしてくれた渋谷区議の神園議員のブログはこちら)
- 真鶴町の地域エンゲージメントプラットフォーム
- 杉並区の公民連携プラットフォーム
これらの事例を参考に、台東区でも新たな取り組みを検討すべきではないかと提案しました。
3. 具体的な提案
以下の5つの要素を中心とした新しいまちづくりを提案させていただきました:
1. 重層的支援体制整備事業の推進と市民活動の育成
2. まちづくりにおける多様な声の反映とデジタル技術の活用
3. 3D都市モデル(PLATEAU)を活用した市民参加型まちづくり
4. 官民連携の強化と新たな協働の仕組みづくり
5. 市民活動団体の認定制度や支援体制の整備
実現を目指すこと
1. スマートフォンでまちづくりの計画をチェックできる
2. 子育て中でも気軽に意見を出せる
3. オンラインで区の計画づくりに参加できる
4. 地域の課題を共有・解決できるプラットフォームの構築
区の回答
デジタル技術の活用について
- 区内全域の3D都市モデルの整備を進めている
- 多様な主体がまちの将来像をシミュレーションできる環境を整備予定
- デジタルプラットフォームの活用を前向きに検討
公民連携まちづくりについて
- 民間主体の活動を推進
- 活動間の交流や情報共有の場づくりを検討
- 中間支援組織の設置を含めた支援体制の構築を予定
- まちづくりに関する総合的な条例の制定を検討中
質問・答弁全文
私からの質問
つなぐプロジェクト 本目さよです。
台東区における協働のまちづくりとデジタル技術の活用について、質問をさせていただきます。
まず、まちづくりとは、地域社会に存在する多様な資源を活用し、住民、事業者、行政など様々な主体が協力して、地域の魅力と活力を高め、生活の質の向上を目指す持続的な活動です。これは単なる都市計画や物理的な環境整備にとどまらず、多様な主体の参加と協働、地域資源の有効活用、参加者の当事者意識、持続可能な活動、そして生活の質の向上を目指す総合的な取り組みです。
このようなまちづくりの概念を踏まえ、台東区のまちづくりにおける現状と課題について述べさせていただきます。
まずは、まちづくりに重要な協働の観点から見ると。区では、平成25年度に台東区協働指針を作成、28年度に中間支援組織を整備し協働を推進しています。しかし、パートナーである「区民」「活動団体」「事業者」などの主体との効果的な連携がまだ十分に実現できていないのが現状です。
平成28年の区民文教委員会において、協働を推進していくうえでキーとなる中間支援組織について、行政との連携や中間支援組織としての役割についてなど、課題を指摘しました。
あれから約8年が経過しましたが、当時指摘した課題について、現在でも十分な進展が見られないのではないでしょうか。
これらの課題は、協働のまちづくりを進める上で重要であり、早急な対応が必要です。特に、中間支援組織が区の各部署と密接に連携し、政策立案や課題解決に積極的に関与していく体制づくりが求められます。
23区内でも、会派で視察に伺った、世田谷トラストまちづくりや渋谷未来デザインといった外郭団体が、「活動団体」や「企業」との協働でのまちづくりを実施し注目を集めています。先進事例をしっかりと検証し、課題について更に力を入れて取り組んでいただきたいと思っています。
まちづくりのプロセスにおける情報公開や市民参加の面でも、いくつかの課題が見られます。例えば、小島公園の改修計画においては、どのような改修が行われるのか、また実施されたアンケートの結果がどうだったのかなど、重要な情報が一般の区民や利用者に十分に公開されていません。
また、まちづくり条例の策定時に行われたワークショップについても、平日の夜に開催され、託児サービスも提供されていないなど、多様な区民の参加を促す配慮が十分でなかったのではないでしょうか。これらの事例は、台東区全体のまちづくりにも共通する問題だと考えられます。
例えば、真鶴町では地域エンゲージメントプラットフォームを、杉並区では公民連携プラットフォームを活用し、情報公開や意見収集、区民の主体的活動支援を行っています。
これらの事例を参考に、台東区においても、デジタル技術を活用した新たなまちづくりの手法を導入する時期に来ているのではないでしょうか。
そこで、私は以下の5つの要素を中心とした、新たなまちづくりの方向性を提案いたします。
1. 重層的支援体制整備事業の推進と市民活動の育成
2. まちづくりにおける多様な声の反映とデジタル技術の活用
3. 3D都市モデル(PLATEAU)を活用した市民参加型まちづくりの推進
4. 官民連携の強化と新たな協働の仕組みづくり
5. 市民活動団体の認定制度や支援体制の整備
これらの取り組みを通じて、市民一人ひとりが主役となり、行政や企業と協働しながら、持続可能で魅力的なまちづくりを進めていくことが可能となります。
このアプローチにより、単に行政への要望を出すだけでなく、地域全体で課題解決に取り組む機運を高め、市民の主体性と地域の課題解決力を同時に育んでいくことができるでしょう。そして、このプロセスにおいて、デジタル技術を効果的に活用しつつ、人と人とのつながりを大切にした、未来志向の台東区を実現することを目指すべきだと考えます。
以上を踏まえ、区長にお伺いいたします。
行政発のまちづくりにおいて、DXを活用してプロセスを可視化し、参加型で進めていくことについて、区はどのようにお考えでしょうか。特に、デジタルプラットフォームを活用した多様な意見収集の仕組みづくりについて、推進していくべきではないかと思いますが、ご所見をお聞かせください。
また、現在、区は進めている「公民連携まちづくり」を進めていますが。将来的に、区民や区に関わる人たちが地域の課題に共に取り組む仕組みづくりについて、どのようなビジョンをお持ちでしょうか。また、これらの取り組みを進める上での課題や対応策についてもお聞かせください。
区長の答弁
私から、ご質問の第一、「協働のまちづくりと デジタル技術活用の 展望」について、お答えいたします。
まず、「デジタル技術を活用したまちづくり」についてです。
人を中心とした 魅力ある まちづくりを進める上では、デジタル技術を活用することにより、都市に存在する人流や 交通量などの様々なデータを蓄積し、それらを活用して まちづくりを検討することが重要であると 認識をしています。
そのため、現在、まちのデータ分析や将来イメージ等を共有できる 基盤として、区内全域の 3D都市モデルの整備を進めています。
今後は これを活用し、多様な主体が まちの将来像をシミュレーションできる環境を整え、さらなるまちづくりへの 参加促進や 迅速な合意形成を図って参ります。
また、まちづくりの検討においてはそのプロセスに 幅広い 住民の参加が重要であると認識しており、議員ご提案のデジタルプラットフォームについては、時間に制約がある方 などを含め、より多くの方が まちづくりへの参加を図るために 有効であると考えています。
今後も 様々なデータや デジタル技術を積極的に活用し、誰もが参加できるまちづくりを実現して参ります。
次に、「公民連携まちづくりの ビジョン」についてです。
既成市街地である 本区においては、情報化や 国際化の進展、ライフスタイルの変化等により、求められるニーズが多様化しています。
現在、区が進めている「公民連携まちづくり」は、生活や 活動の舞台となる まちを 持続的かつ 魅力的なものとするために、民間が主体となって 行政と連携しながら、ハード・ソフト両面における 様々なまちづくり活動の推進を図るものです。
それらの活動に対応するため、活動間の交流や 情報の発信・共有などを主たる機能とした場づくりや、「台東区まちづくり誘導方針」に示す中間支援組織の 設置等を含め、円滑かつ 柔軟な支援体制を構築していく必要があると考えています。
また、持続可能な まちの実現を 図る上では、人材育成のほか、継続的な活動が 可能となる 環境の整備が必要であると認識をしています。
このため、区では「(仮称)まちづくりに係る総合的な条例」の制定と併せて、自主的なまちづくり活動が多く展開できるよう、効果的な 制度や 事業について検討して参ります。
おわりに
「子育てしながらでも地域のことに関われる」そんなまちを目指して、これからも活動していきます。
皆さまの声をぜひお聞かせください!
#台東区 #子育て #まちづくり #市民参加 #公園