こんにちは!台東区議会議員 本目(ほんめ)さよです。
先日、広島市で開催された平和記念式典に参加してまいりました。
なぜ今、台東区の議員である私が広島に足を運んだのか。
実は台東区では2023年から、4年の任期の中で議員が一度は広島か長崎を訪問することになりました。
今年は広島への視察となり、平和首長会議の一員として、そして何より、平和な社会を次世代に残したいという強い想いを胸に参加しました。
私が広島を訪問したのは(平和関連で)ちょうど10年前の70周年のときに、当時は民主党に所属しており、
青年委員会の総会が広島で行われました。
そのときに見た資料館からリニューアルしていて、
より伝わりやすくなっていたと感じます(激混みでしたが)。
なぜ広島へ?台東区の平和への取り組みと重なる想い
台東区では現在、様々な平和事業を展開しています。
平和首長会議への参加、戦争体験者の証言集作成、平和展の開催など、地道な活動を続けてきました。
しかし、ウクライナ情勢をはじめとする国際情勢が不安定化する中で、
「本当の平和とは何か」を改めて考える必要があると感じていたのです。
そんな中、広島県知事の挨拶に深く心を打たれました。

3月10日に思いを馳せて〜私の誕生日と東京大空襲
実は私の誕生日は3月10日です。台東区にとって、この日は決して忘れることのできない特別な日でもあります。
1945年3月10日の東京大空襲では、台東区を含む東京東部一帯が焼け野原となり、多くの尊い命が失われました。
毎年誕生日を迎えるたびに、この地で起きた悲劇と、そこから立ち上がってきた先人たちの努力に思いを馳せます。
印象に残った広島県知事の言葉
知事は式典で、こうおっしゃいました。
「このような世の中だからこそ、核抑止が益々重要だと声高に叫ぶ人達がいます。しかし本当にそうなのでしょうか。確かに、戦争をできるだけ防ぐために抑止の概念は必要かもしれません。一方で、歴史が証明するように、ペロポネソス戦争以来古代ギリシャの昔から、力の均衡による抑止は繰り返し破られてきました。なぜなら、抑止とは、あくまで頭の中で構成された概念又は心理、つまりフィクションであり、万有引力の法則のような普遍の物理的真理ではないからです。」
この言葉を聞いた瞬間、まるで霧が晴れるような気持ちになりました。
私たちは「抑止力」という言葉を、まるで台所の火加減のように当たり前のものとして受け入れていませんか?
しかし、弱火でコトコト煮込んでいるつもりが、いつの間にか吹きこぼれてしまうように、
力による均衡も一瞬で崩れてしまう危うさを秘めているのです。
同期議員との再会が教えてくれたこと
式典では、品川区長や港区長にもお会いしました。特に清家港区長とは、民主党時代の当選同期として久しぶりにお話しできました。「平和」について語り合う中で、それぞれの自治体が抱える課題は違っても、「住民の安全で平穏な生活を守りたい」という想いは共通していることを改めて実感しました。
子どもたちに伝えたい一冊の絵本
今回の広島訪問を機に、改めて手に取ったのが谷川俊太郎さんの絵本「せんそうしない」です。シンプルな言葉の中に込められた深い意味。「せんそうしない」という決意が、どれほど強い意志を必要とするかを教えてくれます。
また、同じく谷川俊太郎さんの「平和と戦争」も、子どもたちと一緒に考えるのにとても良い本です。
子育て中の皆さんにも、ぜひお子さんと一緒に読んでいただきたい一冊です。
難しい平和論より、これらの絵本の方がずっと心に響くかもしれません。
皆さんと一緒に考えていきたいこと
子育て中の皆さんも、お子さんと一緒に「平和って何だろう?」と話し合ってみてください。
谷川俊太郎さんの「せんそうしない」や「平和と戦争」を読みながら、きっと大人が思いもよらない素晴らしいアイデアが生まれるはずです。
核抑止という「フィクション」に頼るのではなく、対話と相互理解という「現実」を積み重ねていく。
それが、台東区から始められる平和への第一歩だと、広島の空の下で強く感じました。
今後も、この想いを胸に、台東区の平和事業に全力で取り組んでまいります。皆さんのお声もぜひお聞かせください。
2024年8月の広島平和記念式典に参加