家事援助は“特別”じゃなくて“日常の安心”へ(決算特別委・民生費)

こんにちは、台東区議会議員の本目さよです。
今回は、**決算特別委員会(民生費)**で取り上げた「家事援助サービス」についてお伝えします。

決算特別委員会とは、1年間の税金の使い道――いわば「行政の家計簿」を点検し、次の改善につなげるための場です。


🧹「手伝ってほしい」と言いづらい現実

「急に自分が病気になった」「親の介護がはじまった」「子どもの一人が入院した」――
そんなとき、気軽に頼れる支援があると本当に助かりますよね。

でも現実には、支援を必要としている人が制度につながっていないケースが少なくありません。
「どこに頼めばいいかわからない」「社協の窓口が平日だけ」「家事を人に頼むのは申し訳ない」――
そんな声を、これまで何度も聞いてきました。


🏠 “社協まかせ”の限界と現場の声

これまで台東区の(3歳を超えた場合の)家事援助は、主に**社会福祉協議会(社協)**の事業として運営されてきました。
※3歳までは「あったかはんど」制度があります。
👉 台東区 あったかはんど(産前産後支援ヘルパー)制度はこちら

しかし、社協の家事援助は自主事業のため、区として直接改善を進めることが難しい仕組みになっています。
つまり、議会としても「こうしてほしい」と提案しても、制度改正の権限がないのです。

その結果、現場では

  • 利用までに時間がかかる

  • 緊急時の対応が難しい

  • オンライン申請など、仕組みの改善が進みにくい
    といった課題があります。

こうした状況は、子ども家庭支援センターなど他機関との情報共有や連携不足にもつながっています。


🔄 「助け合い」を支える仕組みを

私は今回の決算で、
家事援助を“社協まかせ”にせず、区として全体の仕組みを整えていく必要があると提案しました。

現在は「子どもをショートステイや保育園に預ける」「ファミサポにお願いする」という支援策はありますが、
“子どもを預ける”以外の選択肢――“家事を外注化する”などの支援が足りていません。

たとえば、親が体調を崩したとき、
無理に子どもを預けるのではなく「家事を手伝ってもらうことで、家庭のリズムを保つ」。
そんな柔軟な支援があっても良いのではないでしょうか。

本来、家事援助は“特別な支援”ではなく、
**「誰もが助けを呼べる社会の仕組み」**であるべきです。
疲れたときに「頼れる場所」がある。
それが、孤立や無理を防ぐ第一歩になります。


☕️ 日常にたとえると…

たとえば、風邪をひいたときの「葛根湯」。
飲むタイミングが遅れると効かないように、家事援助も“限界になってから”では遅いのです。

軽いうちに「ちょっと手伝ってもらおう」と思える制度こそ、
地域の健康を守る仕組みになるはずです。


🌤 まとめ:「頼ること」ができるまちへ

これからの課題は、
年齢や制度の枠を超えて、「困ったときに助けを呼べる」仕組みを整えること。

家事援助を“特別な支援”ではなく、“地域の日常”に。
そんな社会を、台東区からつくっていきたいと思います。

シリーズ:くらしを支える決算2025
次回は第4回「放課後の安心をどう支えるか──こどもクラブの課題と進展」をお届けします。

台東区議会議員・本目さよの写真と、「家事を頼める安心」「台東区から始まる支え合いのしくみを提案」「台東区議会決算特別委員会」という文字がデザインされた画像。右下には手を取り合うアイコンが描かれ、家事支援を通じた地域の助け合いを表している。