こんにちは、本目さよです。
「くらしを支える決算2025」シリーズ、今回は7回目です。

前回は「見やすい黒板のためのユニバーサルチョーク」をご紹介しましたが、
今回は、中学生の英語学習を支える“英検受験料補助” についてお伝えします。
中学生のママから、
「英検の補助ってそんな制度あったの?」
「3年生の受験期と重なって受けづらい…」
という声が続けて届いていました。
実は、この年度から新しく始まった制度。
でも、制度は“あるだけ”では十分ではなく、
“ちゃんと使われること” がとても大切です。
■ 英検受験料補助の利用実績は?
まず、この新しい補助制度について、実績を確認しました。
答弁では以下のとおりでした。
- 科目:教育総務費 → 教育支援費 → グローバル教育の推進
- 利用件数:191件
- 支出額:117万7,700円
- 想定:区立中学校3年生 約700人
- → 予算より大幅に下回る結果
せっかくの制度ですが、“思ったほど使われていない” 状況です。
現場から私が聞いてきた主な理由は、
- 受験期と英検日程が重なり、3年生では受けづらい
- 1〜2年生で既に必要な級まで取得しており対象外
- 制度の存在に気づかず、機会を逃した
というものでした。
英語力の積み上げは、パン生地の発酵のようなもの。
“強火の時期” に無理やり押し込んでもふくらみにくいし、
早めから少しずつ力をつけていく方がうまくいくものです。
だからこそ、“受けやすい時期を選べる制度” が必要です。
■ 中1〜中3のうち“1回分の補助”を提案
現行は中学3年生限定。
ただし答弁では、
「対象学年の拡大については、今後検討していく」
との前向きな回答がありました。
私は、
- 中1〜中3のうち、希望するタイミングで1回
- 受験と重ならず、生活リズムに合わせて選べる
制度を提案しました。
「柔軟に選べる」ことで、英検を“受験の渋滞”に押し込まずに済みます。
■ 情報が届かず受検機会を逃す問題
「知らなかったから使えなかった」
これは補助制度でよく起こる課題です。
区の答弁でも
「学校によって申請数に偏りがあるため、重点的な周知を行う」
との回答があったように、まだ行き届いていない現状があります。
私は、
- 1〜2年生の早い段階から補助の存在を周知
- 3年生になったら“いつ使うか計画できる” 情報提供
を求めました。
■ イングリッシュサマースクールの“500円を払いに銀行へ”問題
英語教育でもう一つ課題だったのが、
イングリッシュサマースクール(ESS)の参加費。
内容はとても良いのに、
500円を支払うために平日昼間の銀行窓口へ行かなければならない
という方法でした。
忙しいママには実質的に大きな負担です。
区の答弁では、
- 従来方式を踏襲していた
- 令和7年度からはLoGoフォームでキャッシュレス決済に対応
と説明がありました。
さらに私は、今年度は納付書払いだった
中学生海外派遣もキャッシュレス化してほしい
と要望しました。
■ 予算書の“見えにくさ”も改善を依頼
英検補助は“目玉施策”だったはずなのに、
予算書では 「バス借上げ料等」の“等”の中に埋もれている 状態でした。
保護者は決算書を見ませんが、
議会側が見つけにくいのは大きな問題です。
制度は「使いやすい」だけでなく、
“見つけやすい” ことも大事。
どこに載っていて、どんな枠で計上されているのか分からないと、
議会としてもチェックや改善提案につながりません。
そのため、
来年度は分かりやすい表記にするよう要望しました。
■ まとめ
今回の決算質疑で、
- 英検補助は利用が想定より少ない
- 理由は「タイミング」「周知不足」
- 対象学年の拡大は“検討する”との答弁
- ESS参加費は来年度からキャッシュレス対応に
- 英検補助の予算表記の改善を要望
という前進がありました。
子どもたちの“挑戦のきっかけ”を守るためにも、
ただ制度をつくるのではなく、
「ちゃんと使えるかどうか」
に今後もこだわって取り組んでいきます。
台東区議会議員 本目(ほんめ)さよ

