~利用時間が2倍に、障害児は中学生まで対象拡大~

こんにちは!台東区議会議員 本目(ほんめ)さよです。

6月10日の子育て・若者支援特別委員会で、ベビーシッターによる一時預かり支援事業の大幅な拡充が報告されました。今日は、この制度拡充の内容と、実際に利用する際の課題についてお伝えします。

 

なぜこの拡充が実現したの?

東京都の補助要綱が改正されたことがきっかけです。これまで多くのご家庭から「もう少し長時間利用できたら」「障害のある子どもが小学校高学年になっても支援が必要」といった声をいただいていました。今回の都の制度改正を受けて、台東区でもすぐに対応することになったんです。

 

具体的にどう変わるの?

大きく2つの点で拡充されます。

まず、障害のあるお子さんの対象年齢が拡大されます。これまでは「満9歳に達する年度の末日まで」でしたが、「満12歳に達する年度の末日まで」、つまり中学生になるまで利用できるようになります。

次に、利用時間の大幅な増加です。障害児やひとり親家庭のお子さんは、年144時間から年288時間へと、なんと2倍になります。多胎児(双子や三つ子など)のご家庭でも、満6歳までのお子さんは年288時間利用できるようになります。

 

現在の利用状況は?

委員会で報告された利用実績を見ると:

  • 令和6年度実人数:767人(前年度より増加)
  • 利用時間:約40,400時間(前年度34,000時間から大幅増)

利用者が確実に増えていて、本当に必要とされている制度だということがわかります。

 

気になる立替金額の負担

制度拡充は嬉しいことですが、一つ気になることがあります。それは立替金額の大きさです。

例えば、障害のあるお子さん2人がいるご家庭の場合:

  • 1人あたり年288時間 × 2人 = 576時間
  • 1時間2,500円として計算すると:576時間 × 2,500円 = 年間144万円

現在は年4回の精算なので、1回あたり36万円を立て替えることになります。これは、まるで「お米の買い置き」のようなもの。普段は必要な分だけ買うお米を、一年分まとめて先に支払うような感覚です。家計にとってはかなりの負担になりそうです。

 

障害児家庭が直面する「見えない壁」

もう一つの課題が、障害のあるお子さんを受け入れてくれる事業者がわかりにくいことです。

現在の状況は:

  • 「受け入れます」と明記している事業者は少ない
  • 「受け入れません」とも書かれていない事業者が多い
  • 結果として、保護者が一件ずつ電話で確認しなければならない

実際に各事業所に確認したところ、障害児の受け入れ実績があるシッター会社もあるとのことですが、それが外からは見えにくい状況です。

 

私が考える改善点

委員会を聞いていて、以下の点が改善されれば、もっと使いやすい制度になると感じました:

  1. 精算回数の見直し 年4回の精算をもう少し柔軟にできれば、1回あたりの立替負担を軽減できます

  2. 事務作業の効率化 利用者増に伴う事務負担を外部委託で軽減する検討も必要かもしれません

  3. 情報の見える化 障害児対応可能な事業者の一覧化・公開ができれば、保護者の負担が軽減されます

 

制度の詳細

今回の拡充内容を改めてまとめると:

  • 障害児の対象年齢:満9歳 → 満12歳まで拡大
  • 利用時間の拡充
    • 障害児:年144時間 → 年288時間(2倍)
    • ひとり親家庭:年144時間 → 年288時間(2倍)
    • 多胎児(満6歳まで):年288時間(変更なし)

 

予算と実施時期

  • 補正予算:336万円(全額都補助)
  • 実施開始:令和7年4月1日
  • 申請受付:7月から(3ヶ月ごと:7月、10月、1月、4月)

 

対象となるご家庭

この制度は、特に以下のようなご家庭への支援となります:

  • 障害のあるお子さんを育てているご家庭
  • ひとり親で仕事と子育ての両立に苦労されているご家庭
  • 双子や三つ子を育てていて、一人では手が回らない時間が多いご家庭

ただし、対象が限定されているため、すべてのご家庭が利用拡大するわけではありません。
もちろん今まで通りの時間数は使えます!

 

今後の情報提供

6月中には広報たいとうやパンフレット、区の公式ホームページなどで詳しい情報がお知らせされる予定です。
 

最後に

制度が拡充されるのは本当に良いことですが、実際に利用する際の課題もあります。立替金額の負担や、事業者選びの難しさなど、利用者の立場に立った改善も必要だと感じています。

対象となるご家庭にとって、少しでも使いやすい制度になるよう、今後も注視していきたいと思います。