子ども全員に「見やすい黒板」を。ユニバーサルチョークが全校に配布されました

こんにちは、台東区議会議員の本目さよです。

今日は、小学校の「チョーク」のお話です。
え、そんな細かいところ…?と思われるかもしれませんが、実はここに、
「どの子も学びからこぼさない」ための大事な視点が詰まっています。



「赤で線を引きますね」が、見えない子どもたち

以前から私は、色覚の多様性に配慮した「ユニバーサルチョーク」の導入を区に求めてきました。

 

台東区議会議員・本目さよが「ユニバーサルチョークの導入」を紹介する画像。
「見えにくさに気づく チョーク1本から始まる配慮 台東区議会決算特別委員会」という文字と、
カラフルなチョーク、横を見上げる本目さよの写真がデザインされている。

男性の約20人に1人は、色の見え方に特徴があると言われています。
たとえば授業中、先生が「ここは赤で線を引きますね」と言っても、

  • 黒板の緑と赤がほとんど同じように見えてしまう
  • 強調したはずの部分が、実はあまり目立っていない

という子どもがいます。

本人も「みんなと見え方が違う」とは気づきにくく、
なんとなく「黒板が見づらい」「授業についていきにくい」と感じてしまうこともあります。

おうちのテレビも、明るさやコントラストをちょっと変えるだけで
「急に画面が見やすくなる」ことがありますよね。
チョークもそれと同じで、ほんの少しの工夫で、世界の見え方がガラッと変わることがあります。


2017年の一般質問と、当時の状況

このテーマについては、2017年(平成29年)の第三回定例会で一般質問をしました。

子どもが見やすいチョークや、色に配慮された副教材の使用を進めるべきではないか

という質問に対し、教育長からは

  • 教科書はカラーユニバーサルデザインに配慮されたものを採用している
  • 授業では白と黄色のチョークを主体に使い、赤や緑など暗い色はできるだけ避けるよう指導している
  • 今後はチョークや副教材なども、色覚への配慮の視点を持って選ぶよう徹底していく

といった答弁がありました。

その後、2018年に担当課へ確認したところ、当時色覚対応チョークを使っていたのは

  • 小学校:5校
  • 中学校:3校

にとどまっていました。
この状況は当時のブログでも報告し、「ぜひ学校にも働きかけてください」とお願いしてきました。

📎 過去ブログ:「色覚対応チョークの利用について」(2018年12月10日)
👉 https://ameblo.jp/hommeisayo/entry-12418841116.html


「令達予算」の現実。高いチョークは後回しになりがち

もう一つ、大事なポイントがあります。

小学校で使うチョークは、「令達予算(れいたつよさん)」と呼ばれる、校長先生の裁量で使い道を決める予算の中から購入されています。

この中から、

  • コピー用紙
  • 授業用の消耗品
  • 学級経費 など

いろいろやりくりしているため、どうしても単価の高いチョークは選ばれにくいのが現実です。

さらに、せっかく導入されたとしても、
校長先生が代わるとチョークの方針も変わってしまうのではないかという懸念もありました。


決算審査での前進:教育委員会が一括購入し、全校に配布へ

こうした状況を踏まえ、今回の決算特別委員会(【P267】2小学校費/学校管理費)では、あらためて

  • ユニバーサルチョークの導入状況
  • 今後の活用の方向性

について確認しました。

その中で示されたのが、

使用されている学校の割合がまだ低かったため、
教育委員会でユニバーサルチョークを一括購入し、区内の全小学校に配布した

という答弁です。

これは、

  • 校長先生の裁量予算だけに頼らず
  • 「区として、色覚への配慮を進める」という姿勢を明確にした

という意味で、とても大きな一歩前進だと受け止めています。


とはいえ、配っただけでは終わらせない

もちろん、チョークを配布しただけで課題がすべて解決するわけではありません。

  • 実際の授業で、どれだけ意識して使われるか
  • 新しく着任した先生にも、この配慮がきちんと引き継がれるか
  • 「見えづらさ」を感じている子どものサインに、学校と家庭がどう気づいていけるか

こうした部分は、これからも継続してチェックが必要です。

今回の決算では、
「配布」というスタートラインには立てたけれど、まだ“走り出したところ”という認識で、
今後も質疑を重ねていきたいと思っています。


まとめ:黒板の見え方に、ちょっとだけ想像力を

色覚の違いは「特別な一部の子」の話ではなく、
クラスに1人〜2人はいるかもしれない、身近な多様性です。

  • 黒板が見づらいと感じていないか
  • 板書を写すのが極端に遅くなっていないか
  • 「今日の授業、なんかよくわからなかった」と言っていないか

もしお子さんの様子が気になるときは、
学校に「黒板の見え方が気になっていて…」と相談してみてください。

議会ではこれからも、

  • ユニバーサルチョークがちゃんと使われ続けること
  • 色覚検査や配慮の体制が、子どもたちにとって安心できる形になること

を確認しながら、「どの子にとっても見やすい教室」づくりを後押ししていきます。

さらに、今後一人一台端末の活用が進んだり、ICT化が進めば、もしかすると黒板自体が使われなくなるかもしれません。


👂みなさんの学校では、黒板の文字の「見やすさ」、どう感じていますか?
もし気づいたことがあれば、教えてくださいね。

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