こんにちは!台東区議会議員 本目(ほんめ)さよです。
子どもの話を聞くとき、食器を洗いながら「うんうん」と聞くのと、手を止めて目を見て聞くのとでは、子どもの表情が違いますよね。先生も同じで、時間に追われていては、子どもとじっくり向き合えません。
10月1日の区民文教委員会で、「台東区立学校園における働き方改革プラン」の改訂版について報告がありました。国の指針が変わり、先生の業務量の管理と健康を守るための計画づくりが義務になったことを受けた改訂です。この記事では、台東区の先生の働き方がこれまでどう変わってきたのか、新しいプランで何をめざすのかをまとめます。
ハンコで出勤を管理していた学校から
わたしは、ずいぶん前から先生の働き方改革に取り組んできました。平成29年の時点で、台東区の学校にはまだタイムカードがなく、出勤の管理は印鑑だけでした。何十年も前の話ではありません。
先生が毎日何時間学校にいるのかがわからなければ、働きすぎかどうかも判断できません。区は平成30年12月に最初の「働き方改革プラン」をつくり、令和3年度には出退勤システムを入れました。ここから、先生の時間外在校等時間(勤務時間を過ぎて学校にいる時間)を数字で追えるようになりました。
5年間で、ここまで減りました
出退勤システムが入った令和3年度と令和7年度を比べると、月45時間を超えて学校にいる小学校の先生の割合は、36.6%から24.3%に下がりました。中学校は、令和3年度に月45時間を超える先生が42.4%、月100時間を超える先生も5.6%いましたが、令和7年度は月45時間以内の先生が68.8%まで増えています。区立幼稚園とこども園では、令和5年度以降、月45時間以内の先生が85%を超えています。
とくに負担が大きかった小学校の副校長は、1か月の平均が62時間06分から45時間17分になりました。
減ってきた理由は、先生の仕事を分け合う人を増やしてきたことです。副校長の事務を手伝う副校長補佐、印刷や教材の準備を担うスクール・サポート・スタッフ、部活動指導員(令和2年度から各校1名、令和7年度から各校3名を目安)などを配置してきました。令和7年度からは、保護者や地域からの要望への対応について、法律の専門家に電話やメールで相談できるようになっています。夜の電話を留守番電話にしたことや、夏休みに先生全員が同時に休む「学校園閉鎖期間」も続けています。
保護者に関係する変化もあります。これまで学校が集めていた給食費は令和5年1月から、補助教材費は令和7年度から、宿泊行事の費用は令和8年度から、区が負担しています。保護者の負担が減るのと同時に、先生がお金を集めたり、未納の連絡をしたりする手間も減りました。
それでも、月45時間を超える先生は165人
改善は進んでいますが、令和7年度も月45時間を超えた先生は165人いました。中学校は、ほかの校種に比べてまだ高い水準です。新しいプランでは、これを令和10年度に0人にする目標を立てました。
先生へのアンケートでは、授業準備の時間が取れていると感じている先生は34.0%、仕事と生活のバランスに満足している先生は38.5%にとどまりました。どちらも80%以上をめざします。子どもの悩みや相談に対応する時間が取れていると感じている先生は55.5%で、こちらも80%以上が目標です。
取り組みは5つの柱で進めます。学校がやるべき業務の見直し、外部人材の活用(部活動指導員の委託化の検討など)、学校行事の見直し、学校と家庭・地域のより良い関係づくりのガイドラインの策定、学校の電話の録音機能の設定などです。
保護者アンケートで見えたこと
6月から7月にかけて行われた保護者アンケートには、1,908件の回答がありました。「連絡手段のデジタル化・時間外対応」については73.8%が「大いに理解できる」と答えています。「教員を守る体制づくり」も72.8%が「大いに理解できる」でした。
一方で、「働き方改革の効果(子どもたちへの影響)」については、52.7%が「あまり理解できない」と答えています。自由記述には、行事が減ることで子どもの教育に影響が出ないかという心配の声もあったそうです。
先生の働き方を変えることには賛成。でも、子どもにとって何が良くなるのかがまだ見えない。これが保護者のみなさんの実感なのだと思います。
「子どものため」が伝わる改革に
ハンコで出勤を管理していたころから考えると、時間を測り、人を増やし、少しずつ減らしてきたこれまでの積み重ねは、大きな一歩です。
そのうえで、働き方改革のゴールは、先生が子どもと向き合う時間を取り戻すことのはずです。数字の目標とあわせて、「授業がこう変わった」「相談しやすくなった」という子どもの側の変化を、保護者に伝えていく工夫が必要です。
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